作詞作曲:酒井雄二



時計はずしたまま


心の中で 光る断片を

ひとつずつ 彼女はつないでく


窓の向こうに 沈む陽の

注ぐ紅に溶け出す

コトバになる前の 何かが


時計はずしたまま


確かめるように もどかしげに

ひとつずつ かたちに換えてゆく


誰かに聞かせるために

冷ましておいたような

コトバでは、 伝わらぬ何かを


秘めつづけても 想いは 錆びるとすれば

言えぬままサビついた言葉が 僕の中にも 胸にひとつ

夜が近づく


話すと楽になる 気がするわと

彼女はおどけた


時計はずしたまま


光連れて 浮かぶエレベイター

遠慮がちに ともり始める ビルのあかりと せめぎ合う

今日 最後の日差しが かがやいて

時は静かに 二人を置いてゆく


時計はずしたまま